← 記事一覧へ戻る

JAN コードの取得・発行からバーコード印刷まで:GS1 事業者コード申請の費用と流れ

公開日 2026-10-18 · ParityLabel 編集部

「JAN コードはどこで買えるのか」——この質問には明確な答えがあります。買うものではなく、GS1 事業者コードを取得して自社で採番するものです。この記事では、2026 年現行の申請窓口と費用、13 桁の構成の読み方、チェックデジットの計算、自社内だけで使えるインストアコード、そしてバーコードとして印刷するときの規格(拡大率・クワイエットゾーン・色)まで、取得から印刷までの実務を一度に整理します。

この記事の要点

  • JAN コードは申請して自分で採番する:GS1 事業者コードを取得し、商品アイテムコードを自社で割り当て、チェックデジットを付ける。JAN は EAN-13/GTIN-13 と同じ国際規格の日本での呼び名。
  • 申請窓口は GS1 Japan のオンライン申請のみ(2026 年 10 月から紙申請も終了)。費用は売上規模で変わり、年商 1 億円未満なら初年度 17,050 円(1 年払い)から。入金確認後通常 3 営業日で発行。
  • 13 桁 = 事業者コード+アイテムコード+チェックデジット。2021 年以降の新規貸与は 10 桁(小規模向け・アイテム 2 桁)か 9 桁(アイテム 3 桁)が基本。先頭の 45/49 は貸与時期の違いで原産地ではない。
  • インストアコード(20〜29 始まり)は申請不要:量り売り・生鮮・店内加工品など自社システム内完結専用。企業間取引には使えない。
  • 印刷は拡大率 80〜200%・クワイエットゾーン確保・バーに赤系は不可。正式な検証は専用検証機で。

1. JAN コードとは:EAN-13(GTIN-13)の日本での呼び名

JAN(Japanese Article Number)コードは国際規格 EAN と互換で、GS1 Japan 自身「国際的には EAN コードまたは GTIN-13/GTIN-8 と呼ばれます」と説明しています。つまり JAN-13 = EAN-13 = GTIN-13。JAN で発行したコードは世界の GS1 相互運用の中でそのまま使えます。なお医療用医薬品・医療機器では、薬機法の関係で GTIN(JAN)の使用が事実上必須です。

13 桁の内訳は「GS1 事業者コード(先頭の 45/49 を含む)+商品アイテムコード+チェックデジット」で、事業者コードの桁数は貸与時期と規模で異なります。

タイプ事業者コードアイテムコード採番可能商品数
小規模(2021 年新設)10 桁2 桁100 商品
中規模9 桁3 桁1,000 商品
旧来の貸与7 桁5 桁100,000 商品

上行 2 桁が 45 または 49 なら日本で貸与されたコードです(GS1 プレフィックスは 450〜459 と 490〜499)。45 と 49 の違いは貸与時期によるもので、原産地や商品の属性を示すものではありません。

JAN-8(GTIN-8)は小型商品用の 8 桁短縮型(45+5 桁+チェックデジット)で、13 桁の JAN を勝手に切り詰めて使うことはできません。現在は対象商品ごとに「GTIN-8 ワンオフキー」を申請します(3,300 円/年・9,900 円/3 年/コード)。

2. GS1 事業者コードを取得する:窓口・費用・期間

発行窓口は一般財団法人流通システム開発センター(GS1 Japan)です。かつて商工会議所でも受理がありましたが、2020 年 3 月末で全面終了し、現在は GS1 Japan のオンライン申請(gcp.gs1jp.org)のみ。2026 年 10 月 1 日の貸与規約改正で紙申請の受付も終了しました。申請は 4 ステップの Web フローで、費用の支払いはコンビニ決済・Pay-easy・銀行振込から選べます(10 万円超は銀行振込のみ)。入金確認後、通常 3 営業日以内に事業者コードがメールで通知されます。

費用は「初回の初期申請料」と「3 年ごとの登録管理費」の 2 本です(2026 年現行・税込)。

売上規模初期申請料登録管理費(年商 1 億円未満の例)
10 億円以上44,000 円6,050 円/年
または 16,500 円/3 年
初年度合計:1 年払い 17,050 円/3 年払い 27,500 円
1 億円以上 10 億円未満22,000 円
1 億円未満11,000 円

登録管理費は売上規模の区分(Ⅰ〜Ⅶ)により 6,050 〜 110,000 円/年の幅があります(上表は最小区分)。有効期間は 3 年で、更新時に支払うのは登録管理費のみです。

注意点が一つ。検索で出てくる「JAN コードを 1 個○○円で販売」という仲介サービスは、他人の事業者コードの一部を間貸しするものです。GS1 の貸与規約上、事業者コードの譲渡・貸与は認められておらず、小売の取引条件(多くの商談で GS1 登録の確認を受けます)で問題になることがあります。自社ブランドを続けるなら自分で取得するのが本来のかたちです。

3. 採番ルールとチェックデジットの計算

事業者コードが決まれば、アイテムコードは自社ルールで採番します。代表的な運用は「先頭 1 桁を商品群(部門)、残りを通し番号」という階層型。採番台帳(Excel でも可)を 1 つに絞り、欠番を作らない・再利用しないを徹底します。GS1 の規定により、2019 年 1 月以降は生産・販売を終えた商品のコードを別商品に転用できません。廃盤商品のコードは欠番のままにします。

チェックデジットは他の 12 桁から機械的に計算できます。計算方法:

  1. チェックデジットを付けない 12 桁に対し、最右桁から 3、1、3、1… の重みを掛けて合計する。
  2. 合計を 10 の倍数に切り上げるのに必要な数(10 − 合計 mod 10、余りが 0 なら 0)がチェックデジット。

GS1 Japan の公式例:456995111617 → 重み付き合計から チェックデジット 9、正しいコードは 4569951116179 です。当サイトのバーコード作成ツールはチェックデジットを自動計算・検証するので、手計算の確認にも使えます。

4. インストアコード(20〜29 始まり):申請不要の自社専用コード

上 2 桁が 20〜29 で始まるコードはインストアコードと呼ばれ、GS1 の申請なしで自社システム内だけで使えます。惣菜・パン・量り売り・生鮮・店内加工品など、その店舗のシステム内でしか流通しない商品が対象で、価格をコードに埋め込むタイプ(NonPLU)と埋め込まないタイプ(PLU)があります。GS1 Japan は「あくまでも社内利用を想定したコードで、企業間取引には使えない」と明確にしています。取引先に納品する商品・他社チェーンで売る商品には使えません。「とりあえず 2 始まりでラベルを打ったら、取引先の検品システムで弾かれた」という事故が実際にあるので、線引きは厳密に。店内完結なら費用ゼロで済むのが最大の利点です。

5. バーコードとして印刷するときの規格(JIS X 0507)

コードが決まっても、印刷で規格を外れるとスキャンできません。要点は次の 5 つです。

印刷品質の正式な検証はスマホや一般的なリーダーではなく専用の検証機で行います。シンボル画像が手元に必要なだけなら、GS1 Japan の GJDB(商品情報データベース)に登録すれば 1 商品につき 10 枚までバーコード画像を無料生成できます。印刷解像度の目安や不具合パターンの詳細は、Excel 一括作成記事の印刷前チェックにもまとめています。

6. 発行前チェックリスト

  1. 事業者コードが自社名義か(間貸しコードでないか)。
  2. 採番台帳と突き合わせて重番・欠番がなく、廃盤商品の転用をしていないか。
  3. チェックデジットが正しいか(ツールで検証)。
  4. 拡大率・クワイエットゾーン・色・バー高が規格内か。
  5. 実物 1 枚をスキャナ(できれば複数台)で読めるか。

JAN バーコードはブラウザで即作成

13 桁を入力するとチェックデジットを検証した EAN-13 バーコードを SVG/PNG で出力できます。10 件以上なら CSV 一括も。バーコード作成ツール → 一括作成ツール →

おわりに:2027 年に向けた動き

国際的には GS1 の「Sunrise 2027」に向け、2027 年末までに小売 POS で 2D バーコード(GS1 DataMatrix、Digital Link URI 付き QR)が読めるようにする動きが進んでいます。日本でも 2022 年に国内初の世代バーコード・ダイナミックプライシングの実証が行われるなど実証段階です。既存の JAN(1D)がすぐになくなるわけではありませんが、パッケージの裏面デザインを改版するタイミングで 2D の併記を検討しておくとよいでしょう。

参考資料

よくある質問

JAN コードを取得するにはいくらかかりますか?

GS1 事業者コードの費用は売上規模で変わる初回の初期申請料(2026 年現行:売上 10 億円以上 44,000 円、1 億〜10 億円未満 22,000 円、1 億円未満 11,000 円)と、3 年ごとの登録管理費(年商 1 億円未満なら 6,050 円/年または 16,500 円/3 年)の合わせて 2 本です。年商 1 億円未満の小規模事業者なら初年度は 1 年払い 17,050 円、3 年払い 27,500 円(いずれも税込)から始められます。

使わなくなった JAN コードを別の商品に使えますか?

使えません。GS1 の規定により、2019 年 1 月以降は商品の生産・販売終了後もそのコードを別の商品に転用できません。廃盤商品のコードは欠番のままにして、新しい商品には新しいアイテムコードを割り当てます。

インストアコードで他社に商品を納品できますか?

できません。20〜29 で始まるインストアコードは量り売り・生鮮・店内加工品など自社システム内で完結する商品専用で、GS1 Japan は企業間取引への使用を明確に認めていません。取引先へ納品する商品は、GS1 事業者コードを取得して発行した正式な JAN コードを使います。

チェックデジットはどう計算しますか?

12 桁の数字に対し、チェックデジットを付けない最右桁から 3、1、3、1… の重みを掛けて合計し、10 の倍数にするための差(10 − 合計 mod 10、余りが 0 なら 0)がチェックデジットです。GS1 Japan の公式例では 456995111617 → 9 となり、4569951116179 が正しい JAN コードです。当サイトのバーコード作成ツールに入力すれば自動で検証できます。