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GHS ラベルの最小サイズ:JIS Z 7253 の原則と EU(CLP)輸出の数値基準

更新日 2026-10-16 · ParityLabel 編集部

「GHS ラベルは最小で何 mm にすればいいか」——この問いに単一の答えはありません。日本国内向けなら JIS Z 7253 の原則、EU 輸出なら CLP 規則の容量別数値表、米国向けならサイズ規定なし、と出荷先で決まり方が違うからです。この記事は国内と EU の二本立てで整理し、絵表示のサイズ基準と 2028 年から適用される折りたたみラベルまで実務の判断材料をまとめます。

この記事の要点

  • 日本(JIS Z 7253)は寸法の数値規定なし。「判読できる大きさ」の原則。実務目安は絵表示 1 辺 10 mm 以上。
  • EU(CLP)は容量別の数値表:3 L 以下はできる限り 52×74 mm、3〜50 L は 74×105 mm 以上、50〜500 L は 105×148 mm 以上、500 L 超は 148×210 mm 以上。
  • 絵表示は EU でラベル面積の 1/15 以上・最低 1 cm²。3 L 以下は 1 辺 10 mm 以上(16 mm 推奨)、3〜50 L は 23 mm 以上。
  • 折りたたみラベル・デジタルラベルは 2028 年 1 月 1 日適用((EU) 2025/2439 で繰り下げ)。それまでは現行どおり。
  • 米国 HCS はサイズ表なし。輸出先用テンプレートは厳しい方の寸法に合わせるのが安全。

1. まず出荷先でルールが分かれる

GHS(国連の調和システム)自体はラベルに載せる要素と並びを定めるだけで、寸法の下限は各国的に定めます。だから「GHS ラベルの最小サイズ」を検索して出てくる mm 数は、ほぼ必ずどこか特定の地域(多くは EU の CLP)の数字です。自社製品がどこで販売されるかを先に確定させないと、どの表に合わせるべきか決まりません。

2. 日本国内向け:JIS Z 7253 の原則

JIS Z 7253(GHS に基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法)は、ラベル全体の寸法を mm 単位では規定していません。代わりに

を求めています。実務の目安としてよく使われるのは、絵表示 1 辺 10 mm 以上、小さな容器でも 5 mm を下回らない、という水準です(当サイトの絵表示のサイズ解説も参照)。業界団体や大手需要家の調達仕様書に独自の寸法表がある場合は、それが事実上の基準になります。JIS の表示要求と労働安全衛生法の表示義務の関係はJIS Z 7253 解説記事に整理しています。

3. EU 輸出向け:CLP の容量別数値表

EU の CLP 規則((EC) No 1272/2008)は別 I 第 1.2.1 節の表 1.3 で、容器容量ごとのラベルと絵表示の最小寸法を数値で定めています。

容器容量ラベル最小寸法絵表示最小寸法
3 L 以下できる限り 52 × 74 mm10 × 10 mm 以上(16 × 16 推奨)
3〜50 L74 × 105 mm 以上23 × 23 mm 以上
50〜500 L105 × 148 mm 以上面積比率で
500 L 超148 × 210 mm 以上面積比率で

3 L 以下の「できる限り(if possible)」は、容器の形状で物理的に貼れない場合に縮小やタグ・折りたたみを認める余地ですが、記載要素は省けません。また絵表示には面積がラベルの 1/15 以上かつ最低 1 cm²という別の下限があり、大きなラベルでは 1/15 から計算した寸法が 23 mm を超えるため、大きい方に合わせます。運輸用の菱形ラベル(100 mm 辺)は別体系で、GHS ラベルと同一梱包上に併存します。

4. 米国向け:サイズ規定なし

OSHA の HazCom 規準はラベル寸法を容量別で規定していません。判読性・恒久性が基準であり、CLP の数値表を米国向けに援用する必要はありません(逆に米国基準だけでは EU を満たさない点に注意)。日欧米の制度違いの全体像は英字の三地域比較記事にまとめています。

5. 折りたたみラベルとデジタルラベル:2028 年 1 月 1 日から

EU の 2024 年改正(規則 (EU) 2024/2865)は、任意の容器サイズでの折りたたみラベル使用、最小文字サイズ・行間の指定、デジタルラベルの選択肢を初めて導入しました。ただし猶予規則 (EU) 2025/2439 により、ラベル様式・貼替・遠隔販売関連条項の適用日は 2028 年 1 月 1 日に繰り下げられています。当分は現行の寸法表どおりでよく、新しい様式は 2028 年に備えてテンプレートから整えておくのが合理的です。

6. 設計・印刷の実務手順

  1. 出荷先を確定し、該当する表を選ぶ。複数地域向けの共通テンプレートは最も厳しい寸法に合わせる。
  2. 最小寸法を「幅」で設計し、H/P 文と供給者情報の折返しを先に決める。文字を縮小して合わせるのではなく、段組みで対応する。
  3. 絵表示は SVG などのベクターで。分類から絵表示を自動選択するならGHS ラベル作成ツールが赤枠付き SVG を出力します。
  4. 印刷は 300 dpi 以上、赤枠は先刷り台紙+黒インキの上刷りでも可。モノクロ印刷で枠が黒くなったものは EU・日本とも不備です。

分類を入力するだけのラベル作成

SDS 第 2 項の区分を入力すると、絵表示(赤枠 SVG)・注意喚起語・H/P 文を自動で揃えた GHS ラベルが作れます。GHS ラベル作成ツール →

参考資料

よくある質問

GHS ラベルの最小サイズは何 mm ですか?

出荷先で決まります。EU 向けは CLP 規則の数値表に従い、容器 3 L 以下はできる限り 52×74 mm 以上、3〜50 L は 74×105 mm 以上、50〜500 L は 105×148 mm 以上、500 L 超は 148×210 mm 以上。日本国内向けは JIS Z 7253 が寸法を数値で規定しておらず、必要な情報が判読できる大きさという原則になります。

日本国内向けのラベルはどのくらいの大きさにすればよいですか?

JIS Z 7253 には mm 単位の規定がないため、実務では絵表示を 1 辺 10 mm 以上(小さな容器でも 5 mm 未満にしない)、製品名・危険有害性情報・注意書きが定められた並びで読み取れるかを基準に設計します。取引先や業界団体の仕様書に独自の寸法表がある場合はそちらが優先です。

EU 輸出用の絵表示サイズの決まりは?

CLP では絵表示の面積をラベル面積の 1/15 以上、かつ最低 1 cm² と定めています。さらに容量別に 3 L 以下は 1 辺 10 mm 以上(16 mm 推奨)、3〜50 L は 23 mm 以上の下限があり、大きいラベルでは 1/15 の比率から求まる寸法が上回るので大きい方に合わせます。枠は赤、地は白、シンボルは黒であることも要件です。

折りたたみラベルやデジタルラベルはいつから使えますか?

EU の 2024 年改正(規則 (EU) 2024/2865)で折りたたみラベルの自由化とデジタルラベル選択肢が導入されましたが、猶予規則 (EU) 2025/2439 によりラベル様式・貼替・遠隔販売関連条項の適用は 2028 年 1 月 1 日に繰り下げられています。それまでは現行の CLP 寸法表どおりで、新しい様式のデザインは先行で整えておくのが得策です。